ETTO#21 みんなの救急科 市立三次中央病院
地域の健康寿命をのばす
市立三次中央病院
「断らない救急」を実践している市立三次中央病院。
救急科の芳野由弥先生は、院内に1人しかいない救急・集中治療の専門医です。
「地域の方たちの健康寿命を延ばすことが目標」と語る芳野先生に、
救急科医のやりがいを聞きました。
初期研修1年目で体験した救急科がすごく楽しくて、熱心に指導をしてもらえて興味を持ちました。それと、大学病院での研修で集中治療の専門性を学んだことも、救急科医を目指すきっかけに。救急科医は診察した患者さんの専門治療を他科へお願いすることが多いですが、集中治療は逆に他科から重症の患者さんのコンサルテーションを依頼される分野。頼りにしてもらえるのは、やりがいがあるだろうなと思ったんです。
最初は知識が追いつかなくて、悩んだ時期もありました。特に重症の患者さんに対応するのは怖かったです。他科の先生に聞きながら1例1例を振り返り、救急でどんな処置が求められているのかを聞くことで、少しずつ先を読んで動けるようになっていきました。自分に自信が持てるようになったのは7年目くらいから。患者さんの命にかかわる責任が大きいので、もちろん今でも怖さはあります。
特に集中治療については全て1人で判断しなければならず、難しさを感じることもあります。でも、それが面白さでもある。救急搬送が重なって対応に追われるときは、他科の先生とコミュニケーションを取りながら、「断らない救急」を目指して受け入れ体制を整えています。
現在、広島大学と当院で共に進めているのが、遠隔ICUシステムの導入です。これは大学病院の医師が常にモニターで患者さんの情報を見ながら、地域病院の集中治療をサポートするもの。当院のような人員が少ない地域病院でも、これまで以上に質の高い集中治療が提供できるようになるので期待しています。
救急外来は困っている患者さんにとって「入口」なので、そこから患者さんの背景まで考えてサポートできたときは、やりがいを感じます。
最近では他科の先生から「ご家族への説明に同席してほしい」と頼まれることがあり、その後の経過について詳しく説明しています。ご家族から「話を聞けてよかったです」と言ってもらえると嬉しいですし、これまでの経験が生かせてよかったなと思います。
私はもともと広島で地域医療を実践していきたいという思いがあったので、それが今、ここで実現できています。
救急科医はともすれば「誰にでもできる」と思われがちですが、なんでも診られることが専門性であり、また、重症度の高い患者さんに対して即座に判断して命を救うことができるのが救急科医の強みです。それに集中治療に関しては、他科の医師からも頼られる専門性の高い分野です。怖さを感じるのは当然で、むしろそういう人ほど救急科医に向いていると思うので、ぜひこの世界に飛び込んでみてください!
(ETTO#21 2025 Winter より)
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